排卵誘発剤にも種類がある

排卵誘発剤はタイミング法で身近

排卵検査薬によるタイミング法で妊娠したいと望んでいる方にも、排卵誘発剤は身近な存在です。私もタイミング法で無事に妊娠できましたが、同じタイミング法でも自然周期によるもの、薬や注射を使う医療的サポートを受けながらのタイミング法に分かれます。

注射器

もちろん誰だって薬や注射はなるべく打ちたくないと思いますが、5~6回、半年以上自然周期によるタイミング法を実践して効果が出ない場合、あるいは不妊検査で明らかな問題点が見つかった場合、排卵誘発剤の使用が提案される可能性があります。タイミング法による妊娠率を上昇させることができますし、排卵をスムーズに促す効果が期待できます。更に黄体機能の向上、基礎体温の安定効果も享受できます。

普段風邪を引いても風邪薬、頭痛薬も飲まない私は、いくら妊娠率がアップしても人工的な薬は嫌…と抵抗感を感じましたが、排卵誘発剤が刺激を与えるのは卵巣だけで、卵子自体に影響が及ぶ心配はないそうです。従って排卵誘発剤が原因で胎児が障害トラブルを抱えることもない、と言われています。

ただし、排卵誘発剤には副作用も。排卵誘発剤にも何種類かありますが、メジャーなクロミフェンの場合長期スパンで使用することで頸管粘液の減少、子宮内膜の薄化などの悪影響が及びます。更に排卵誘発剤を頼って妊娠に至った場合、自然妊娠よりも若干流産率が上昇するようです。

 

内服タイプは脳に働きかける

排卵検査薬を使ってタイミング法を実践しようとしても、自然周期によるタイミング法をある程度続けても成果が出ない場合、排卵誘発剤の使用も検討しなければなりません。私たち夫婦は幸い2年目を直前に妊娠することができましたが、もし2年以上経過したら再びクリニックのお世話になって排卵誘発剤治療も検討しよう、と話し合っていました。

排卵誘発剤は内服タイプのセキソビット、クロミッド、注射タイプのフェルティノームP、hMG(HMG日研)、 hMG(ヒュメゴン)、hMG(ゲストロン5000)などが有名です。ここでは内服タイプの排卵誘発剤の種類と副作用についてお伝えしたいと思いますが、セキソビットもクロミッドも卵巣ではなく脳に働きかけるのが特徴的です。

月経5日目から5日間連続で飲み始め、排卵を誘発するセキソビットは内服剤の中で一番副作用が軽く、身体に負担なく排卵をサポートすることができます。不妊検査で卵巣に刺激を与える性腺刺激ホルモンが充分に分泌されていない、と判断された場合セキソビットを内服して卵胞刺激ホルモンの分泌を促進、卵胞発育を補助します。

ただし一般的にはクロミッドの方がメジャーですから、扱っている医療機関は限られているそうです。クロミッドもセキソビット同様、月経5日目から5日間連続で副作用しますが、排卵を誘発する効果はもちろん、同時に黄体機能の改善、卵子の増加など妊娠率が相乗的に上がるその他の効果も期待できます。

頚管粘液の減少、子宮内膜が薄くなるなどの副作用も伴う点が心配ですが、注射のように身体に強い負担をかけることもなく、過剰刺激も滅多に引き起こされないようです。

 

注射タイプは卵巣に働きかける

排卵検査薬で毎月真面目に排卵リズムを調べても、女性の身体に問題があれば妊娠は成立しません。今回はタイミング法とも深く関係している排卵誘発剤の注射タイプについて、治療方法や副作用のお話をしたいと思います。

注射タイプの排卵誘発剤は注射タイプのフェルティノームP、hMG(HMG日研)、 hMG(ヒュメゴン)、hMG(ゲストロン5000)などがメジャーで、いずれにしても脳に働きかける内服タイプとは異なり卵巣に作用するのが特徴的です。

生理がスタートしてから何回か筋肉注射、もしくは皮下注射するフェルティノームPは、黄体化ホルモンがほぼゼロの状態で精製されています。一般的なhMG製剤の場合、卵巣刺激ホルモンに黄体ホルモンが含まれている為、黄体化ホルモンが正常に分泌されている女性に投与すると過剰になる恐れがありました。

その点フェルティノームPは卵胞刺激ホルモンの純度が一番高く、黄体化ホルモンはほとんど含まれていない状態で精製されていますから、卵巣を過剰に刺激する心配がほとんどありません。極稀に過剰刺激が引き起こされる副作用も報告されていますが、注射タイプの中ではかなり安全性が高いものです。

 

副作用が強いhMG製剤

一方hMG(HMG日研)、 hMG(ヒュメゴン、hMG (ゲストロン)などのhMG製剤は、明らかに内服タイプの排卵誘発剤よりも副作用リスクが上昇します。副作用が強い分妊娠に対する高い効果も期待できますが、筋肉注射と言うこともあり女性に強い負担がかかります。

しばらく内服タイプの排卵誘発剤を試みて結果が出ない場合、注射タイプの排卵誘発剤が提案される流れになりますが、双子、三つ子どころか四つ子や五つ子など多胎妊娠の確率も上昇しますし、卵巣が腫れる卵巣過剰刺激症候群などのリスクも指摘されています。