意外とナーバスな男性の不妊検査は

男性の不妊の検査も問診から

排卵検査薬でタイミング法を実践する前に、男性側に不妊原因がないか不妊検査を行いましょう。具体的な不妊検査の項目は患者さんの年齢や状況、クリニックの方針によって異なりますが、初診では必ず問診が行われます。

残業する男性

問診票に記入する項目は男性と女性は異なりますが、氏名住所、生年月日、身長、体重、アレルギーの有無といった基本的な質問事項は共通しています。

その他男性側に問われる事項としては、「今までの結婚歴」、「喫煙習慣(過去、現在タバコを吸う習慣があるかどうか、吸う場合1日にどれぐらい吸うのか)」、「飲酒習慣(過去、現在お酒を飲む習慣があるかどうか、飲む場合何をどれぐらいの量飲むか)」など。

また、今までにかかった病気、特に心臓病、腎臓病、結核、おたふく風邪などの有無、陰嚢水腫、停留精巣など精巣、鼠径部近くの手術歴の有無なども問われます。

問診では患者さんが記入した問診票を見ながらドクターから改めて色々質問されますが、いずれにしても質問に対しては正直に答えることが重要です。

「1日にワイン1本飲んでるって言ったら怒られるかな」など勝手な判断で情報を隠したり誤魔化してしまっては、お金も手間暇もかけて検査を受けている意味がありません。不妊原因は身体の病気、異常以外にも普段の生活習慣に潜んでいることもありますから、包み隠さず状態を伝えましょう。

 

精液検査で異常があれば内診

排卵検査薬を活用した自力タイミング法で妊娠を目指せるのは、男女共に深刻な不妊原因を抱えていない夫婦だけです。タイミング法にトライしても男性側に問題があれば結局遠回りすることになりますから、特に30代以降のご夫婦は最初に不妊検査を受けておいた方が効率的かも知れません。

男性の不妊検査では女性の初診時のように、必ず内診が行われるわけではありません。男性が触調検査、視診と言われる内診検査が行われるのは、精液検査で何らかの異常が見つかった場合のみです。

精液検査で問題が認められた場合だけ、ドクターが患者さんの男性器を直接目で確かめ、触って奇形の有無や異常を確認します。内診によって精巣、精巣上体、精管などの硬度、腫脹、精索静脈瘤がないかどうか分かります。男性機能に影響を及ぼす男性外性器のサイズ、発育レベルもチェックされます。

精巣の平均サイズは厚さ2cm、長径3.5cm、短形3cm前後となり、陰茎は7.4cmが平均の長さだそうです。性交に支障があると判断されるのは5cm未満ですが、男性器のサイズまで調べられることが分かると大半の男性は「検査に行きたくない」と嫌がるようです。

男性の内診は精液検査で異常が認められた場合だけですけど、女性の内診は異常の有無に関わらず必須項目ですから、旦那さんに検査を渋られるとイラッとしてしまいそうですよね。

ただ苛々をそのままぶつけてしまうと検査の度に雰囲気が悪くなってしまいます。女性側の負担が大きいのは事実ですが、「私の方が大変なのに」と主張するのではなく「お互い頑張ろう」と励まし合って検査のハードルを乗り越えましょう。

 

精液検査前は禁欲生活

不妊の6大基本検査は5項目が女性の検査で、男性の検査は精液検査しかありません。男性も問診、精液検査で異常が見つかれば血液検査など次のステップに進みますが、まずは精液検査が男性不妊検査の肝になります。

精液検査の前は4~5日禁欲生活を送る必要がありますが、一定期間禁欲生活を送ったとしても医療機関で射精することに抵抗を感じる男性が大半です。どうしても精液を採取することができずに不妊治療を断念、と言うケースも珍しくありません。

不妊原因は男性も女性も同じ割合で考えられますから、夫婦に子供が授からない場合は女性だけではなく男性も検査を受ける必要があります。ただ男性は想像以上にナーバスですし、精液検査を強制して心理的なEDに陥る場合もあるようですから厄介です…。

一般精液検査では、採取した精液を液化させる為に20~30分置きます。液化した精液の量、色、精子濃度、奇形率、運動率などを調べれば、完全な自然妊娠が可能かどうか分かります。精子の状態によっては精子を増やす薬や注射など医学的補助があれば自然妊娠が可能、と判断されます。人工授精、体外受精、顕微授精、非配偶者間人工授精しか道はない…など、今後の治療方針を決める目安となります。