月経異常は不妊に繋がる

不妊に繋がる月経異常の種類

排卵検査薬を使った自然周期によるタイミング法は、正常な月経がある方に向いている妊娠方法です。もちろん排卵さえ起こっていれば月経異常があってもタイミング法で妊娠を成立させることは可能ですが、完全に自力で…となると少々難しくなるかも知れません。

生理不順に悩む女性も多いのは皆さんご承知の通りですが、妊娠後早産や流産を防ぐ為にも、もし月経異常がある場合はタイミング法を実践する前に規則正しく健やかな月経を取り戻すことから取り掛かりましょう。月経の異常にも色んな種類があります。

悩む女性

 

生理周期長い稀発月経

排卵がスムーズに行われていない状態の稀発月経は、生理周期が39日以上90日未満、と月経から排卵までの低温期が長くつづく為妊娠しやすいタイミングを掴みにくくなってしまいます。特に高温期が全くない場合、無排卵月経の可能性が強く妊娠を成立させることができません。

同じ稀発月経でも排卵が全くない無排卵月経の場合、治療には作用が穏やかなクロミッドなどの排卵誘発剤の他、更に効果が高いhMG製剤を用いて治療する必要があります。排卵までに時間を要する遅延排卵も放置しておくと排卵機能がどんどん衰えてしまい妊娠率も低下してしまう為、自分の力で健康的に排卵できるよう排卵誘発剤や漢方を使って対応します。

 

生理周期が短い頻発月経

生理周期が24日以内と短い頻発月経の場合も高温期が全くないと無排卵の疑いが濃厚で妊娠はとても望めない状態ですし、高温期があっても短い場合子宮内膜環境にも不備が見られ黄体機能も強くない為、着床障害を招く確率が高くもし妊娠できても流産リスクが高まります。

頻発月経は排卵後の黄体期が短い場合と排卵までの卵胞期が短い場合の2タイプに分かれますが、前者ならダイレクトに黄体ホルモンを補充する治療、後者なら排卵誘発剤を使った治療が行われます。排卵が確認できない無排卵月経なら、クロミッドもしくはhMG製剤を投与して排卵を起こさせるアプローチが選択されます。

 

生理が来ない続発性無月経

3ヶ月以上生理が来ない月経異常である続発性無月経になると、基礎体温を測定してもずっと平坦な形で高温期を迎えることはありません。ホルモン分泌機能もかなりダウンしている筈です。無月経状態が長期間に及ぶと深刻な排卵障害を引き起こす恐れがあるので予断を許しません。

何らかの理由で月経がストップしてしまった場合、まずはクロミッドのような作用の優しい服用薬を用いて排卵を誘発します。そして成果が得られないようなら更に高い効果が期待できるhMG製剤を用いて排卵を促します。

高プロラクチン血症が原因で無月経状態に陥ってしまったケースでは、排卵が起こるかどうか反応を見る為にもテルロン・カバサール・バーロデルなどの薬の投与が試みられます。

 

生理期間が長い過長月経

生理期間が8日以上つづく過長月経の場合、もし高温期が短いパターンなら黄体機能不全が疑われます。不正出血や性交痛、腰痛、きつい生理痛に見舞われる場合子宮筋腫や子宮内膜症を併発している可能性があります。

出血量が少なく生理期間が1週間以上つづいているのに基礎体温が平坦なままなら、妊娠が極めて困難な無排卵月経の疑いが濃厚ですから注意が必要です。
もし無排卵月経なら排卵誘発剤が用いられます。子宮筋腫や子宮内膜癒着、子宮ポリープなど子宮に問題を抱えている場合は着床障害、流産リスクを回避する為にも病を治癒、改善する為の投薬治療や手術治療が優先されます。

 

生理期間が短い過短月経

生理が来ても1~2日で終わってしまう月経異常、過短月経の場合、無排卵の可能性が強く妊娠が難しくなります。高温期を迎えない状態では妊娠は成立しにくく、来ても短い場合は黄体機能不全の疑いが濃厚なので流産リスク、着床障害リスクを伴います。

過短月経の原因が黄体機能不全なら、ホルモンを補充し反応を確認することになりますが、もし子宮内膜の癒着が原因なら癒着をはがす為の手術を行わなければなりません。