不妊治療の人工授精と体外受精

人工授精が適用されるケースは

排卵検査薬を使ったタイミング法でも妊娠が難しい場合、医療機関から人工授精を提案される可能性があります。私たち夫婦も2年以上タイミング法で結果が出なかったら、「人工授精も含めて不妊治療をステップアップさせていかなければならないね」と話していました。

女医さん

子宮内に精子を直接注入することで卵子と精子が出会う確率を上げる不妊治療である人工授精は、自然周期を利用したタイミング法に次いで自然妊娠に近い妊娠方法です。

ED、セックスレス問題を抱えている場合、精子の数や運動性に問題がある場合、抗精子抗体が陽性の場合、子宮頚管トラブルや女性生殖器狭窄によって精子の通過性に問題が生じている場合など、不妊原因をはっきり突き止められないケースの場合の不妊治療としても人工授精が推奨されます。女性が卵管狭窄、卵管閉塞など卵管通過障害を抱えている場合、人工授精は最適な不妊治療とは言えません。

 

人工授精のメリットとデメリット

人工授精と言うと身構えてしまうかも知れませんが、人工授精は予想以上に手軽に妊娠率を上げることができる不妊治療方法です。強烈な痛みを伴うこともなく、身体への負担も比較的少ないことから、何度かトライし無事に妊娠したと言うケースも珍しくありません。

ただし健康保険の適用外ですから自由診療扱いになります。人工授精にはAIHとHITの2種類の方法があり、費用はクリニックが各自で定められます。1回5,000円のところもあれば2万円前後かかるところも。

また、体外受精へ切り替えるタイミングもクリニックによって差があります。人工授精の妊娠率は5~25%と平均値を取るのが難しいようですが、10回以上トライしても妊娠率が上がらない場合、そのまま人工授精を継続して妊娠を目指す場合もあります。1~2回で結果が出ない場合、体外受精を提案されることもあります。

 

人体外受精、顕微鏡授精の適応

排卵検査薬によるタイミング法は自然な形で妊娠できるメリットがあり、お金も大金もかからない点が魅力的です。私もワンステップ排卵検査薬を使い、手頃な値段のためお金の問題に頭を悩ませることなく妊娠活動2年目ギリギリで赤ちゃんを授かることができました!

2年以上頑張っても妊娠できなかった場合、タイミング法以外の不妊治療を検討しなければなりません。不妊治療でも体外授精、顕微鏡授精となると一気にハードルが上がる印象を受けます。

採取した精子と卵子を体外で受精させ、体外で得た受精卵を子宮に移植する体外受精で授かった赤ちゃんは、一昔前まで試験官が用いられたことから試験管ベビーと呼ばれていましたよね。授精の場が顕微鏡となる顕微鏡授精も体外で受精を行う点で体外授精と同じジャンルで扱われる不妊治療方法です。

精子の数、運動性に問題がある男性不妊症、高齢不妊症、両側卵管閉塞例、その他不妊原因がはっきり分からないケースでも、体外授精、顕微鏡授精が適用されます。不妊治療を1年以上継続して結果が出ない場合、5回以上人工授精が成功しない場合もドクターから体外受精、顕微鏡授精を提案されるかも知れません。

 

体外授精、顕微鏡授精の◯と×

体外受精のメリットは妊娠率が上がることです。体外授精では卵子と精子が出会う偶然性に頼らず、胚が育つところまでの過程を人工的に行いますから、そのプロセスに問題を抱えているご夫婦でも妊娠率が上昇します。

ただし人工授精よりも高額な費用と言うデメリットも無視できません。自由診療扱いになる為、各医療機関の時価と言うことで1回10万円から100万円前後の費用が必要です。

また子宮内膜環境トラブルを抱えている場合や精子や卵子の質に問題がある場合は、体外授精でも妊娠率を上げることはできません。体外授精はすべての不妊に対応できる治療方法ではありません。