男性の不妊検査は精液検査までが基本

精巣状態を超音波検査で検査

男性の不妊検査は問診と精液検査が基本検査になりますが、もしその時点で問題があれば血液検査など他の検査項目に進みます。

カップルの影

超音波検査も男性不妊の基本検査の1つで、陰嚢にプローブと呼ばれる探触子を当て、モニター上に描出される睾丸(精巣)の状態をチェックします。ドクターはモニターを見ながら精巣の上下、左右、前後の経を測定し、体積の計算を行います。精巣腫瘍、微小結石が精巣の中にできていないかどうかも確かめ、副睾丸や精管など精巣の外の器官も調べます。

もし精子の通り道が詰まっていると、精巣上体、もしくは精管の拡張が確認できます。精索静脈瘤ができている場合も内静索静脈が拡張してモニターに映し出されます。カラードプラ法ならカラーで血液の逆流を見ることができます。

精液検査で無精子症…精液中に精子が全く見られないと言う残念な結果が出た場合、経直腸的超音波検査と言う特殊な超音波検査を行い精子の通り路が詰まっていないかどうか、丹念に調べられます。

 

内分泌検査でホルモン値を検査

男性の不妊検査は問診、精液検査が基本的な項目になりますが、妊娠前に男性も詳しい検査を行っておくと妊娠率が分かるだけではなく先天異常のリスクが判明するなど後々役立つことがたくさんあります。

不妊症男性は精巣腫瘍の発症リスクも高い傾向にありますが、ご自身の健康の為にも積極的に不妊検査を受けて問題がないかどうか調べましょう。

内分泌検査も問診、内診、精液検査、染色体検査と並び男性不妊検査の基本的な項目になります。内分泌検査ではホルモンの値を調べます。内分泌検査によって精巣に刺激を与える脳下垂体からのホルモン値(FSH)、精巣から分泌されるホルモン値などを検査し、問題がないかどうか確認します。

卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、プロラクチン、テストステロンなど各種ホルモンの数値によって、様々な病気のパターンを推測することが可能です。

 

遺伝検査で染色体と遺伝子を検査

排卵検査薬で陽性が出た…と言う報告をした時、旦那さんは妊娠検査薬と間違って大喜びしていました…。これは完全に私が悪かったと思います(笑)。私自身タイミング法で妊娠を目指そうと決意し、色々勉強するまでは排卵検査薬の存在すら知りませんでしたから。

不妊原因を抱えている可能性は男女とも同じ割合…とは言っても、やはり積極的に不妊検査、不妊治療を受けようとする男性はあまりいません。私は35歳で本格的に妊娠活動を始めたので自分の年齢にも危機感を抱き、積極的に検査を受けました。

けれど男性側が自ら進んで検査を受けたり自分でも不妊について調べたり、積極的な行動に出ることはほとんど期待しない方が良いでしょう。大体「まだ必要ない」と突っぱねる旦那さんを「基本検査だけでも!」とお願いしてクリニックに引きずって行く感じです。

一般的な男性の不妊検査では問診、内診、精液検査が主軸になり、内分泌検査や超音波検査が行われることになりますが、こういった基本的な検査で問題が見つかれば遺伝検査も行うようドクターから提案されるかも知れません。

遺伝検査で染色体、遺伝子を調べる必要があるのは、精路の閉塞所見がない無精子症、高度の乏精子症の患者さんです。順番としては内分泌検査を受けてから遺伝検査、と言う流れになる筈ですが、男性不妊症の大体7%は遺伝検査で染色体に異常が見つかるそうです。

 

精液検査は2~3回繰り返す

旦那さんを不妊検査に連れ出すのは大変です。そもそも夫婦に子供ができない場合、真っ先に女性原因が疑われますし、旦那さんを検査に誘っても「キミの検査が済んでから…」と先延ばしにされるのが大体のパターンです。

最初に女性側の原因を調べ、異常が見つからない場合男性側も検査を開始…と言うケースが多いようですが、最初から二人でドクターの説明を聞き段階を追って問題がないかどうか調べるのが一番理想的です。

ただし男性が最も抵抗感を抱く精液検査は、1度で済まないことも多々あります。特に異常が見つからない場合でも、精度を高める為に2~3回検査を繰り返すようアドバイスされることは珍しくありません。

精液検査を受けた男性のうち99.9%は「二度とやりたくない!」とトラウマになる程辛いようで、頑張ってもどうしても医療機関内で射精できず検査を断念するケースも少なくないようです。

クリニックによっては「ご自宅で精液を採取し、すぐに持ってきてくれればOK」と言うところもあるようですが、いずれにしても屈辱的な検査であることは間違いありません。

ただ、精液検査で辛い思いをしてようやく不妊検査、不妊治療は2人で行う必要があること、奥さんはもっとたくさんの検査に耐えていることを実感する旦那さんもいます。家で奥さんの話を聞くだけでは、どうしても他人ごとのようにしか実感できないのも仕方ありませんよね。男性にも不妊検査を受けて貰い、不妊治療は夫婦二人三脚で行わなければならないことを理解して貰いましょう。